Slavaの近況が見えず、非常に寂しいこの頃ですが、
そんな中、彼の大親友、ボリスの演奏を聴いて来ました。
2005年から、日本でも開催されるようになったクラシック音楽の祭典、
ラ・フォル・ジュルネ「熱狂の日」・オ・ジャポンは
毎年GWの3日間、午前中から夜遅くまで一日中、
東京国際フォーラム周辺を中心にいろんなホールや場所で
クラシックコンサートが開かれているイベント。
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン公式サイト1公演45分という通常のコンサートより短くチケットも格安になっており、
幾つもの公演を梯子するのも醍醐味のようです。
ボリスはこの祭典の常連でほぼ毎年来日しています。
今年はフランス音楽がテーマ
(昨年はロシア音楽でSlavaが来日してくれるのを期待していたのですが…)
私は人混みが好きではないのでこの祭典の事はずっと知ってはいましたが、
GWの中、出て行くことを敬遠していました。
でも、今年は思い切って出かけ、昨日3日は3つの公演を梯子して聴きました。
本当はもう一つチケットを取っていたのですが、体力的に無理で断念…(涙)。
3つ目のラストがボリスの演奏です。
超絶技巧を得意としながらも色彩が見えるような演奏のボリスの手によって、
特にドビュッシーの繊細で曖昧模糊なる曲をどのように料理するのかが楽しみでした。
プログラムは
ラヴェル:夜のガスパール(オンディーヌ、絞首台、スカルボ)
デュティユー:ピアノ・ソナタop.1より 第一楽章
ドビュッシー:前奏曲集 第1巻より
(デルフィの舞姫たち、野を渡る風、雪の上の足あと、さえぎられたセレナード、亜麻色の髪の乙女、ミンストレル)
アンコール
アルベニス:アストゥリアス他
私はドビュッシーの前奏曲集 第1巻にある「沈める寺」が大好きで、
この曲をボリスが弾いたらどんなに素晴らしいだろう…と期待していたのですが、
演奏されず、落胆の限り…(涙)
でも、収穫だったのは本当に繊細の限りを尽くした曲、
「雪の上の足あと」でした。
この曲もどう聴かせてくれるか期待していたので、
それは素晴らしかったです☆☆☆
ダイナミックで超絶技巧迫力満点の演奏がボリスの真骨頂ですが、
この「雪の上の足あと」は本当にシン…と静まり返った一面真っ白な世界に遺された、
僅かな足あとを思い描かせ、ピアノの音は鳴っているのに、
音の無い凍てつく寒さと虚無を感じました。
流石…ボリス…
そして、モスクワはもう雪が溶けただろうか…
Slavaはどうしているだろうか…と想いを馳せました…
この日、他に聴いた公演
☆「音楽の印象派」
サティ(ドビュッシー編):ジムノペディ第1番、第3番
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ドビュッシー:海(海の夜明けから真昼まで、波の戯れ、風と波の対話)
アンコール
ビゼー:カルメン「前奏曲」
演奏:ラムルー管弦楽団
指揮:フェイサル・カルイ
どっぷりドビュッシーの世界にひたりました☆
☆「ベル・エポック」
フォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」op.80
(前奏曲、糸を紡ぐ女、シシリエンヌ、メリザンドの死)
ショーソン:詩曲 op.25
マスネ:タイスの瞑想曲
演奏:シンフォニア・ヴァルソヴィア
指揮:ジャン=ジャック・カントロフ
ヴァイオリン:オーギュスタン・デュメイ
フォーレの曲はどれも本当に綺麗…
聴き逃した公演も「フォーレとその弟子」という公演で、
チェロの演奏会でした…行きたかった…(涙)
ショーソンの詩曲は初めて聴きましたが、良かった…
7月にもこの曲を聴く予定があるので楽しみです♪
私はフォーレは昔から大好きでしたが
フランス音楽をこんなに親しめるようになったのは、
ドビュッシー研究をしている友人の影響からです…
今日は身体を休め、明日は梯子はせず、
ミッシェル・コルボ指揮のフォーレ「レクイエム」を夜に聴いて来ます☆☆☆